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器用
PCのパーツを買いに日本橋へ。
S-ATAに対応したマザーボード「P4P800-E Deluxe」を購入。S-ATA対応のHDDは以前に購入済み。(seagateの200GB)
持って帰って早速組み立て作業開始。

ケースを取り出し、前のマザーを取り出す。

新しいマザーを取り付ける。

前のマザーからメモリを外し、新しいマザーにメモリを取り付ける。次はCPUだ。
「CPUのクーラーって、取り付けは楽だけど外すときはなかなか外れないよな。。。」
と思いながら、えいっと取り外した。
なっ!?

クーラーの底にCPUがくっついてる!!
ど、どういうこと!?
え、ピンの状態は!?まさか取れた!?
確認したところ、ピンは大丈夫のようだった。
しかしCPUをクーラーから取り外そうと思っても取れない!
密着してしまっている。
むむむ。。。
これは力を入れて強引に引き離そうとすると、飛んでしまってCPUのピンが折れる可能性がある。
ここは慎重に徐々に力を入れて引き離そう。。。
徐々に力を入れて、、、と。
・・・
まだ外れない。もうちょっと力を加えて。。。
ぎゃあ!!!
叫ばずにはいられなかった。
CPUが勢いよく外れて、床に転がった。
まさか、まさか、まさか。。。
CPUのピンを恐る恐る見ると。。。
…何本か曲がっている。。。
あれほど慎重にしろって言っていたじゃないか。
あれほど慎重にしろって言っていたじゃないか。
はぁ。。。。
このCPUは2万5000円程。
オークションでジャンク品扱いで売って1万円程か。
それよりも、今代わりのCPUがない。組み立てが続行できなくなる。
とりあえず写真を撮っておこう。。。
今までの写真撮影は、新しいマザーボード取り付けの記念写真だったはずなのに、
こんな、こんなことになるなんて。。。

しかし、まだ絶望の淵から立ち直るチャンスはあった。
曲がったピンを元に戻せばいい!
しかし、この作業の難しさをこの時は知らなかった。
細い安全ピンか何かで、CPUのピンを戻そうと思った。
安全ピンがなかったので、クリップを取り出してきた。
そしてクリップでCPUの曲がったピンを調整。
ここはより慎重。曲がっている状態だから回復の可能性があるものの、
ピンが取れてしまったら、それこそ終わりだ。
慎重に慎重に。。。
よし、真っ直ぐになってきた。うまいぞ。
曲がりがひどいピンは3本、小さな曲がりのピンは7本程か。
横から見たアングル、縦から見たアングル、真っ直ぐになるようにその都度調整、調整。。。
(塔矢アキラが持碁を狙っている時のように)
約10分後。
できた!!
やった!ピンが折れずに真っ直ぐにできた! 器用だ!
と思ったのも束の間。
CPUソケットにCPUが入らない。
どうやら、確実に真っ直ぐにならないと入らないようだ。
見た感じでは真っ直ぐだけど、完璧に真っ直ぐにしなくてはならない。
ソケットに合わせても、どのピンが合っていないのかが分からない。ピンとピンの間隔が狭すぎるので。
これって、神業じゃないのか…?
再びクリップを持って調整する作業が始まった。
調整、調整。。。
時間も一刻と過ぎていく。

19度か。
ソケットの右上は合っても、左下が合わない。
左下を合わせると、今度は右上が合わなくなる。
調整、調整。。。
そしてついに、この時がやってきた。

ピンが全て装着した瞬間である。
すごく長い時間だと思われたが、ピンが曲がってから30分ぐらいの間だった。
リューク「器用だな。女にモテるだろ?」
器用さより器量だよ、リューク。
そして、もう一気にHDDやらビデオボードやらを取り付けてスイッチオン。
ピッ(電源が入った音)
…
…
…
…
…
…
…
…
何も起こらない。
普通はHDDへのアクセスが始まり、画面に写るはず。
やっぱりCPUはあの時、壊れていたんだ…
何が器用さより器量だ。
記念写真を撮った虚しさしか残らなかった。
パーツを全部外した。
そして本当にCPUが原因だったのかを調べるため、前のマザーに戻した。
そしてスイッチオン。
ピッ(電源が入った音)
…
…
…
…
…
…
…
うむ、やはりCPUだな。
さあ、外そう。
あつっ!!!
CPUがものすごく熱かった。
起動確認するだけだったのでCPUにクーラーを付けずに電源を入れていたのだ。
そうか、クーラーがあんなに大きい理由は、CPUの熱をヒートシンクに広く分散させているわけなんだな。
なんのためにあんなに大きいのかと思っていた。
でも、CPUが壊れてるからこんなにヒートしたのかも。と思っていた。
まぁ、試しにクーラーつけて再び起動させてみるか。
ピッ(電源が入った音)
…
…
…
キュルルルルルーーー(HDDのアクセス音)
…
…
…
えっ、起動した!?
モニタを繋げてみると、画面に写ってる。
CPUは直っていた!!!!
急いで急いで、また新しいマザーに取り替える。
そしてスイッチオン。
起動した! やった!
記念写真!

さあ、あとはこっちのもの。
S-ATAの接続は初めてだったけど、マザーのマニュアル見てBIOSの設定
変えてすぐOK!
さあ、最終接続図の記念写真!

めでたしめでたし。
全ての作業が終わったのは、作業開始から4時間後のことであった。
最初に起動しなかった謎は分からないままであった。
何かコードの接続がおかしかったのか、CPUがヒートしてから直ったのか。
なにより、もう今は大丈夫。